株式会社エリオス

CASE 支援事例紹介・対談VOL.2

対談Vol.2

Q&Aサイト最大手のOKWAVE(株式会社オウケイウェイヴ)。創業期から株式上場までのSTORYを中心とした、経営陣トップ3名と、創業期から関わるエリオス杉浦との対談。世の中に変革を起こす企業に必要な人材とは?マインドとは?

OKWAVE(株式会社オウケイウェイヴ)

インターネット黎明期である1999年に創業し、2006年株式上場。「互い助け合いの場の創造を通して、物心両面の幸福を実現し、世界の発展に寄与する」というミッションを実現すべく、各種サービスを提供。 中心となるサービスである、日本発、最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」は、毎月約3,100万人がお互いの知識や経験を共有・シェアしている。

集合写真

左から株式会社オウケイウェイヴ・取締役副社長:福田道夫氏、代表取締役社長:兼元謙任氏、エリオス:杉浦、株式会社オウケイウェイヴ・取締役経営管理本部本部長:野崎正徳氏

なぜ「OKWAVE」を始めたのか?

株式会社オウケイウェイヴ代表取締役社長:兼元謙任氏の写真

物事の真実とは何か?

兼元:ごく簡単に言うと、小学校の時に国籍の違いで、韓国籍だった事で友達に裏切られたことがありました。その印象があまりにも強くて、その問題を解き明かすにはどうしたらいいのかと、28~29歳くらいまで色々と考えてきました。それから色々とあったのですが、トヨタ式の改善(※1)に出会いました。「物事の真実を明かしたかったら5回質問せよ」という教訓があって。それをインターネットでもやったらといいと思ったんです。僕は、たまたまホームページに出会って、1999年に割と貧困の中でホームページをつくる作業をやっていたんですが、インターネットの掲示板にホームページの作り方について質問したらバッシングされて。それが繋がったんですね。QAをつくったらそこで助け合えるし、物事を掘り下げられるって言う事で、QAがいいなと思ったんです。こうしたカルチャーっていうのが、その当時は無かったんです。

※1 の元副社長大野耐一氏の著書「トヨタ生産方式」の中で「一つの事象に対して、5回の『なぜ』をぶつけてみたことはあるだろうか。」更に、「5回の『なぜ』を自問自答することによって、ものごとの因果関係とか、その裏にひそむ本当の原因を突きとめることができる。」と書かれている様にトヨタ自工の現場で行われた問題事象の原因を追究する方法。

みんなから支援される会社をつくる。

エリオス:杉浦の写真

チャレンジへの絶好の機会

杉浦:当時、OKWAVEのβ版のユーザー数が多分600~700人で、資本金300万円の有限会社だったんです。これを株式会社にするためには、当時資本金1千万円が必要でした。そこで、OKWAVEのコミニュニティのユーザーみんなからお金を集めて株式会社にしたい、みんなから支援される会社を作りたいという話が出ていました。
現実的には、株主総会を開いたりすることが困難だったりするのですが、でもそれを具現化する方法として、上場という手段があるよねと。まさにそういう形で、インターネットのサービスを、ユーザーがダイレクトに支援をしているって、当時そういう会社は無かった。そこには価値があるなあと思いました。まさに株主でもあり利用ユーザーでもある。事業内容とそのモデルも含め自分もチャレンジしたいなと思ったんです。

「似たようなことを考えている」そんな人に出会う。

株式会社オウケイウェイヴ・取締役副社長:福田道夫氏の写真

福田:僕は前職がNTTだったんですけど、当時同期がいろんなベンチャー企業の社長さんと会う仕事をしていました。当時の僕は、音楽やスポーツとかバックグラウンドが色々あったんで、マッチングするようなビジネスをやりたいと、周りに話していて。そうしたら似たような事を考えている人がいるよって、兼元さんを紹介されました。彼は、QAという全体的なプラットフォームを考えていたんです。だったら一緒にやって、将来的に自分のやりたいところに向かえばいいじゃんという話をもらって。それもそうだなと思い、会社を辞めることにしました。似たようなことを考える人に出会える。それってなかなか無いですから。自分でもやってみようと考えていたから、タイミングがちょうど合った。一緒にやったほうが早いと思って、それで辞めて来てみたら、誰もいなくて兼元さんと二人だけだった。(笑)

当時の役割、印象に残っていること。

情熱が想いが皆を支えた

杉浦:僕はビジネス全体のディスカッションを兼元さんとやって、事業計画書の形を整える。資本政策を考えてVCと交渉する。そして資金調達が終わってからは、営業部の立ち上げをしました。営業といえば、福田さんは飲んでデカい仕事をとってきてたな(一同笑)。

福田:僕の中で印象的だったのは、立ち上げて間もない頃にYAMAHAさんが賛同してくれたこと。それが衝撃的だった。OKWAVEがまだ全く無名だった時に「このコンセプトは必要だと」言って頂いて。このコンセプトを大企業が受け入れてくれるんだと、大変勇気づけられました。QAサイトは理念は良いものの、BtoCだけでは食えなくて。でも有料にはしたくない。このタイミングでBtoBにも展開していったんです。

野崎:私は、夜を徹してVCへの事業計画書を作っていました。立ち上げたばかりの時期だったから実績も無い状態で無謀だと思いながら(笑)。

兼元:初期の頃、印象的なお客さんが何社かあります。JALさん、SONYさん、YAMAHAさん、東京三菱UFJ銀行さん、住友生命さん、CASIOさん・・・そういうお客さんの所を廻っていました。ただし余裕は無かったですね。事業計画つくって、コミュニティーのリニューアルを設計して、ユーザーサポートして、営業資料つくって、テレアポして、翌朝営業にいって、また帰ってきて、ユーザーサポートやってみたいな。でまた寝る間も惜しんで事業計画つくって。一人で何役もやってました。女性の社員を雇ったら「共同トイレがいやだから辞めます」って言われたのを覚えています(笑)。結構体壊したりしたけど、みんなでサポートしあって支え合った。みんなで助けあいましたね。

福田:その当時、夏場にお客さんが来てから、エアコンの冷房を入れてたんです。部屋が暑いから汗をかいて。汗がひいて来るころに帰るタイミングになる。「冷房なんて意味ない」といまだに、その頃のお客さんからは笑い話で言われます(笑)。

株式上場!その際の心境は?

株式会社オウケイウェイヴ・取締役経営管理本部本部長:野崎正徳氏の写真

社会観が変わるとき

野崎:無我夢中でしたからね。上場した後も、終わった感じがしなかった。僕の場合は上場の準備もそうですが、上場してからの管理体制づくりが結構大変でしたので。それが僕の役割なので、しばらくホテル住まいもやっていましたね。

杉浦:野崎さんのために近くに家を借りた方がいいんじゃないかと議題に上がるくらい(笑)。

福田:意外に記憶が無いっていうか、ここでは言えないエピソードはあります。(笑)それで全部ふっとんでる感じがします。(笑)

全員:パンドラの箱ってことで・・・。(全員笑)

兼元:上場すると新聞に掲載されるようになる。OKWAVEが日経新聞とかに。これで「上場したんだなあ」と実感しました。サービスをリリースしても、それまでは広報しようと思っても、なかなか世に情報が出ていかないんです。それが上場してからは、事あるごとに出してもらえるようになった。公的になるっていうのは、そういう事なんだなと思いました。

経営に携わる人達へ。

集合写真

信頼できる経験と実績

――エリオスとのパートナーシップを検討している人に向けて、メッセージをお願いします。

野崎:一緒にやってきたので、実績がすべてを証明していると思います。これが良いとかあれが良いと言うよりは、一緒に寝食を共にしてやれる人。信頼できます。お薦めです。(全員笑)

杉浦:当時と今で違うのは体力の問題だけですね。(全員笑)
ほんとに気持ちは変わらない。経験値は上がっているかも。

福田:お金って大事なんだよ。お金も大事なんだよ。っていうところ。資本政策とか一つ一つの問題ではなく、営業も含めて全体として「お金って大事」ということの真意を知っている。創業時期はサービスに夢中になったり、対ユーザー向けに一生懸命になったり、これは当たり前の事です。結局お金がまわらない、そこが原因で無くなっていく会社をたくさん見てきているので、そこをサポートしてもらえるのは結構大きいと思いますね。

兼元:ベンチャーキャピタリストに相談する際に、人によっては自分で起業や上場の経験がないのに「これはダメです」とか言ってくる人がいる。全く説得力がないんですよ。実際を経験している。立ち上げから上場までの経験を持っている人だからこそ言える事があると思います。そういう方にアドバイザーに入ってもらったり、相談することはとても有効だと思いますね。

(取材日2016年12月19日)